近年、食物アレルギーの中でも特に増えてきているのが「小麦アレルギー」。
一般的に、小さな子供が発症するものだとイメージしがちな小麦アレルギーですが、実は大人になって発症するケースも少なくないのです。
小麦アレルギーを発症してしまうと、パスタやパンなどの小麦製品が食べられないばかりか、小麦を含む醤油やお酒、化粧品まで避けなければいけなくなり、日常生活に支障をきたしてしまいます。
最近では大豆や米粉の加工技術が高まり、小麦粉を使用せずともおいしい食品がたくさんありますが、それでも小麦を摂取したことでアレルギー症状を発症してしまうという事故が後を立ちません。
これは消費者庁などの機関も注意喚起をしていますが、原材料表示に小麦粉の表示がなくても、小麦が含まれていたり混入していることがあるのです。
小麦アレルギーとは?
小麦アレルギーとは食物アレルギーの一種で、小麦に含まれるタンパク質をアレルゲンとして、腹痛や皮膚疾患、頭痛、くしゃみ等のアレルギー症状があらわれます。
小麦を口から摂取するだけでなく、小麦が含まれる製品を触ったりするだけでも症状が出る場合があります。
小麦アレルギーでも食べられるもの
小麦アレルギーになると、基本的に小麦を少しでも含むものは食べられなくなります。
たとえば、私たちの身の回りにあふれているパスタやピザ、パンやスイーツなど小麦から作られているものや、小麦を含む調味料も一切口にできません。
これらの小麦製品を除く、ご飯、肉、魚、野菜、大豆製品などが小麦アレルギーの方が食べてもいいものです。
最近では小麦粉に変わる大豆粉や米粉の加工技術が進化してきており、特に米粉のパスタやピザ、パンなどは小麦粉と遜色がないほど味の良いものが作られていて、小麦アレルギーでも食べられるものの幅は広がってきています。
米粉製品を食べるときのポイント
世間に広く知られるようになり普及し始めている米粉製品ですが、それでも小麦アレルギーの方は注意して食べる必要があります。
なぜなら、米粉製品だとしても小麦が含まれていることがあるからです。
原材料をチェックする
米粉のパンやスイーツでも、100%米粉を使用していることは多くありません。
小麦粉を含まないパンやスイーツは、ふくらみが悪くおいしくつくることが難しいからです。
原材料に小麦が表示されている食品は、食べないようにしなければなりません。
また、原材料として使用されていなくても、添加物に小麦が含まれている可能性もありますので、原材料表示はしっかりチェックする必要があります。
店舗に小麦粉の使用有無を確認する
小規模なパン屋やケーキ店では、少量の小麦が含まれていても記載をしていないケースがあります。
実際、消費者庁のページでは原材料表示に小麦の記載がなかったため購入して食べた小麦アレルギー患者が症状を発症したという事故が複数紹介されています。
パン屋やケーキ店で米粉製品を購入する場合、念のため小麦の使用有無を確認した方がいいでしょう。
コンタミネーションに注意する
原材料表示に小麦の記載がなく、製品自体が米粉100%の場合でも、小麦のコンタミネーションにより症状が出てしまう場合も少なくありません。
たとえば、米粉100%のパンをつくっているお店が、同じ工房で小麦を使った商品もつくっている場合、小麦が混入している可能性があります。
「製造工場では、小麦を含む製品を生産しています。」といった表示がある商品は食べないようにするのが安全です。
また、小さなパン屋やケーキ店ではそのような表示をしないことも多いため、工房内で小麦を扱っているかどうかを必ず確認するようにしましょう。